rTMS治療をご希望の方は、第2梅田院ではなく、梅田本院(第2梅田院から徒歩約12分スカイビル横)の初診をご予約ください。
rTMS治療は効果的で非侵襲的
神経刺激による治療方法です
TMSは、変化する磁場を使用して電磁誘導によって脳の小さな標的領域を磁気で刺激する非侵襲的な治療方法です。
うつ病の治療では、対象となる脳の領域は左背側前頭前野(DLPFC)と呼ばれ、左眉から上方へ向かう線上にあります。
TMSの手順では、磁場発生器、つまり「コイル」を頭上にあてます。
コイルは、変化する電流をコイルに供給するパルス発生器または刺激装置に接続されています。
TMSの副作用はまれですが、発作、治療部位の不快感、または頭痛が(まれに)起こる場合があります。効果的な治療法がほとんどない神経因性疼痛では、高頻度(HF)反復TMS(rTMS)が効果的であると思われます。
治療抵抗性の⼤うつ病性障害には、左背外側前頭前野(DLPFC)の⾼頻度(HF)-rTMSと、右DLPFCの低頻度(LF)-rTMSの有効性が認められています。
rTMS治療の効果について
- rTMS療法を受けることで、すべてのうつ病が改善するわけではありませんし、効き方には個人差があります。
- rTMS療法の抗うつ効果の程度は、おおむね抗うつ薬による治療効果と同等と考えられます。しかし、電気けいれん療法 (mECT)による抗うつ効果には及びません。
- うつ病患者さんの約3人に1人は抗うつ薬治療に反応しないと言われており(文献1)、そのうちの3~4割がrTMS療法に反応しています(文献2)。
つまり、抗うつ薬が効かない患者さんの6~7割はrTMS療法にも反応していないことはご留意下さい。
rTMS療法によって、病前に近い寛解レベルまで回復する割合は2~3割と言われています。
また、うつ病の治療には、認知行動療法や生活などの環境の工夫などの心理社会的な治療を行うなどの総合的なアプローチが勧められます。
以上のように、抗うつ薬によって十分な効果が得られない患者さんの3~4割が安全性の高いrTMS療法によって抗うつ薬と同等の治療効果を示すことに一定の意義はあります。また、抗うつ薬による副作用、他の疾患の治療薬との飲み合わせの問題や身体疾患のために抗うつ薬を内服することが難しい方にとっても有効な治療選択肢の一つと考えられます。
しかし、誰もが恩恵を受けるような万能な治療ではないことを事前に知った上で同意して頂く必要性があります。
rTMS療法に反応しない場合には、次の治療オプションについて担当医師と話し合うこととなります。
rTMS治療の再発率について
rTMS療法によって、病前に近い寛解レベルまで回復する割合は2~3割と言われています。
再発率に関するデータは十分ありませんが、rTMS療法が有効であった患者さんの6~12ヶ月における再発率は1~3割と推定されています(文献2)。
rTMSが奏功して後に再発した場合、再度rTMSを受けることもあります。
rTMSの治療頻度について
週5回 × 4〜6週間、約20~30分/回(1回目は約1~1.5時間)の治療が現在大うつ病に対して有効性が高く最も推奨されている治療頻度です。
- ※ 当院では、最も効果が期待される方法がわかっている場合、推奨されている治療方法で、集中的にしっかりと治療を実施することで改善を目指します。
- ※ 推奨治療よりも少ない頻度で行うなどの不確かな方法は、効果がどの程度でるかは不明です。当院ではお勧めしていません。何卒ご理解下さい。
- rTMS受付可能時間:
診療日の平日 9時半~11時50分、14時~16時20分
①午前中に治療し、午後から出勤の場合
②午前中に出勤し、午後から治療の場合
(毎日午前中または、午後にrTMS治療を行いながらお仕事を継続することも可能です。がん治療における放射線治療と同様、“働きながらの治療”のイメージです。)
- クリニックでのrTMS治療は就労しながら受けることが可能ですが、上記の様に頻回の来院が必要で、約1~1.5か月間は平日の通院負担があります。
- アクセスの良い第2梅田院にrTMSを設置することにより、患者様の利便性に貢献し、より多くの治療オプションがある梅田本院で、rTMS前、実施中、実施後のうつ病の治療が滞らないよう両院で連携して治療を行います。どうぞご安心ください。
- ※ 大うつ病以外にも、rTMS治療の可能性について日々新たな知見が出ています。その他の疾患への適応については、梅田本院を受診していただきご相談下さい。
rTMS治療をご希望の方は、第2梅田院ではなく、梅田本院(第2梅田院から徒歩約12分スカイビル横)の初診をご予約ください。
rTMSを受けられない場合について
絶対禁忌と相対禁忌についても事前に確認させて頂く必要性があります。
- ■絶対禁忌(原則として、rTMS療法が実施できません)
- 刺激部位に近接する金属(人工内耳、磁性体クリップ、深部脳刺激・迷走神経刺激などの刺激装置)、心臓ペースメーカーを有する方。
- ■相対禁忌(一般病院・総合病院では実施できる場合がありますが、当院では実施できません。)
- 刺激部位に近接しない金属(体内埋設型の投薬ポンプなど)、頭蓋内のチタン製品、あるいは磁力装着する義歯・インプラントを有する方。
てんかん・けいれん発作の既往、けいれん発作のリスクのある頭蓋内病変、けいれん発作の閾値を低下させる薬物(三環系抗うつ薬、マプロチリン、テオフィリン、メチルフェニデート、ケタミン、クロザピン、ゾテピンなど)の服用、アルコール・カフェイン・覚せい剤の乱用・離脱時、妊娠中、重篤な身体疾患を合併する場合など。
- ■その他、以下の方もお受けいただくことが出来ません。
- 【 rTMS療法適応外の具体例 】
- (1)18歳未満の若年者 (18歳以上20歳未満は保護者の方の同意が必要です。)
- (2)同一のうつ病エピソードにおいて、過去にrTMS療法を受けたことがある場合
- (3)精神病症状をともなう重症エピソード、切迫した希死念慮や緊張病症状など電気けいれん療法が推奨される症状を示す場合
- (4)精神作用物質あるいは医薬品使用による残遺性感情障害を示す場合
- (5)その他、当院の治療上の益よりも害が大きいと主治医が判断する場合
参考文献&参考URL
- Rush AJ, Trivedi MH, Wisniewski SR, Nierenberg AA, Stewart JW, Warden D, et al. Acute and longer-term outcomes in depressed outpatients requiring one or several treatment steps: a STAR*D report. Am J Psychiatry. 2006;163(11):1905-17.
- Perera T, George MS, Grammer G, Janicak PG, Pascual-Leone A, Wirecki TS. The Clinical TMS Society Consensus Review and Treatment Recommendations for TMS Therapy for Major Depressive Disorder. Brain Stimul. 2016;9(3):336-46.
rTMS治療の参考youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=Fec6P7D71VQ&t=494s
(当院使用の類似機器のチャンネルです。治療イメージとしてご参考になさってください。)
rTMSの治療費用について
出来るだけ現在の生活を送りながらクリニックでのrTMSを受けていただくことが可能です。現在日本では、クリニックでのrTMS治療は原則自由診療扱いとなります。(※自由診療費は、高額療養費制度の適応は出来ません。)
<お支払い方法>
- 都度払い:1万円/回 (税込み1万1千円)
- 4週間分 (20回分) 一括払い:20万円 (税込み22万円)
- 6週間分 (30回分) 一括払い:30万円 (税込み33万円)
- ※ rTMS実施の1回目は、rTMS1回目の診療予約時にお預かりします。
- ※ 一括払いの場合→一括払いされた場合は、予約時の1万千円は1回目の当日窓口でご返金致します。
- ※ 現金のみ。窓口または銀行振り込みでお願い致します。(クレジットカード不可)
- ※ キャンセルや治療中断の場合は、後日ご返金致します。
- ※ 1回目のrTMS診療は、予約変更やキャンセルは1週間前までにお願いいたします。
期日を過ぎますと規定のキャンセル料が発生いたしますので、ご了承ください。